Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふたつのいえをつなぐかいそう
二つの家を繋ぐ回想
宮本 百合子
Lesen Sie 二つの家を繋ぐ回想 (ふたつのいえをつなぐかいそう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.480 Zeichen · 37 Bildschirme
斯様な状態のままの処へ、国からAの父の来られたことは、我々にとって、明かに或苦痛である。
何にも知らない老人は、一日も早く林町へ行き、謂わば、永い間の懸念になって居る公式の訪問をすませたい。それがあるうちは、見物も長閑に出来ないと云われる。
せっぱ詰った揚句であろう、Aは、突然林町へ電話をかけた。そして、父を呼び、二三日のうちに、行き度い意向を告げた。彼の心持で云えば、一寸客間で話しでもして帰る積りであったのだろう。けれども、林町では、折角来られたものだから、せめて夕餐でも一緒にしたい。それには、自分(父)の腹工合が悪いのをなおしてから。いずれ四五日うちに、と云うことになった。
始めから、自分は不安を覚えて居る。Aの遣り方は、当を得て居ないと感じる。少くとも、母が、それで、それならと、云われるとは思わない。何かなければよい、と思って居るうちに、翌日、林町から電話郵便が来た。至急、私に来い、と云うのである。
不快な、来るべきものが来たと云うような心持で、夜、自分は林町へ行った。
父が、話があるからと云って、西洋間に呼ばれる。
「もう、どう云う用だか分って居るだろう? 何だと思って居る? 云って御覧、」