Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

Lesen Sie 二つの庭 (ふたつのにわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.492 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

「りゃくということに来たの?」

ときいた。金を寄附させることを、アナーキスト仲間では掠奪という意味からか、リャクというということを思いおこしたのだった。

よごれていることを自分たちの青春の示威と飾りにしているような三人の青年たちは、何となし、伸子のその言葉で動揺した。

「用は、わかっているじゃないですか」

ステッキをついた一人が、挑戦的に顎をもたげた。

「それゃ、読んでるもの……」

伸子は、

「でも、わたしには何だかよくわからないわ」

紫メリンスの前かけをかけた膝を揃えて、式台から畳じきへ上る敷居に腰かけた。

「どうして、あなたたち、いきなりよそへ来てそういう要求をするの?……」

「そんなこと、はっきりしていると思うんだ。いまの社会は、俺たちが生きられるように出来てやしないじゃないか」

それはそうであるけれども、それなら伸子自身どういう世の中に生きて来ているのだろう。伸子は作家として暮している。女一人を生かす義務や責任をちっとも感じていない世の中を貫いて、伸子はその働きで、自分を生かして来ているのではないだろうか。

「今の日本の社会がそうだから、青年は、こうしか生きる道がないという主張をもっていらっしゃるわけなの?」