Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
Lesen Sie 二つの庭 (ふたつのにわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.492 Zeichen · 389 Bildschirme
保は、
「そうしようと思わなくたって、そうなっちゃう」
困惑したようにいった。
「どっちの議論だって、よくきいてみて、相手に勝とうとさえ思わなければ、みんなそれとしては理窟があるんだもの」
「それゃそうかもしれないけれどさ……」
伸子は妙な顔をした。保のあの不思議に執拗な「公平」がまた出て来た。
「だって、――議論なんてものは、真中に一つ問題があって、それをはっきりさせるために起るんでしょう? だもの、てんでんばらばらに、一つずつの議論がそれとして理窟をもっているというのが眼目にはならないんじゃないの。中心の問題にとって、正しいとりあげかた、正しい解釈というものが当然ある筈じゃないの」
「うん」
「だからさ、正しい結論が出るまでの議論には、見当ちがいなのもあるわけでしょう? そして、それはすててゆくのよ。みんなそれとして理窟がある、というようなのは、変だわよ。――そう思わない?」
「…………」
「保さんが、みんなの議論してるとき、あれもこれもそれとして正しいなんていえば、それは調停派だか何だか、ともかくおかしなことだし、間違っていると思うわ」
保は一層大きく膝をゆすりはじめた。