Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

Lesen Sie 二つの庭 (ふたつのにわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.492 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

うちの中だけでは私たち育ちきれないのよ。フレームから出なければ、駄目なのよ。土の新しいのがいるのよ。だから、本当に友達を見つけなさい、ね。越智さんが、こんなに永年つき合いながら、そういうことをあなたのような人にいって上げないなんて、あんまりだわ」

「越智さんは、越智さんとして、いろいろいい話をしてくれる」

「だって」

なお、はげしくいいかけたところへ、

「ごめん下さい」

襖の外から女中が声をかけた。

「奥様がおよびでございます」

「…………」

「だれに?」

保がききかえした。

「伸子さまに……」

「――すぐ行きます、からって……」

そろそろ伸子が立ちかけると、保もそれにつれて立上った。

「僕も一緒に行っていい?」

「もちろんよ」

前後してその長四畳を出るとき、うしろから、保が彼よりも背のひくい伸子の頸すじに、

「お母様はね、僕が姉さんと話していると、あとできっと、なにを話していたのかってきくの」

と低い声でいった。

四

翌日の朝のうち、伸子は、沈んだ気持で郊外の家へかえって来た。門をはいると、台所ぐちの方で、

「それゃあ、あんまりですよ奥さん! みて下さい、このピンピンですぜ。