Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうさんばんち
二十三番地
宮本 百合子
Lesen Sie 二十三番地 (にじゅうさんばんち) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.579 Zeichen · 27 Bildschirme
裏には、私位の女が居ないからとも云えるけれ共、到底私に想像出来ない好奇心を以て、一寸裏にさえ出れば、私の足の出し工合から、唇の曲げ方まで注意して居て呉れる。
パサパサな髪を頭の後でポコッと丸めて、袴を穿いたなりで、弟達と真赤になって、毬投げをするかと思えば、すっかり日が落ちて、あたりがぼんやりするまで木の陰の遊動円木に腰をかけて夢中になって物を読んで居たり、小さい子の前にしゃがんで、地面に木切れで何か書き書き真面目な顔をして話して居るのを見ると、どうしても、見ずには居られない様に感じられたらしい。殆ど一日居る学校などでは、あんまり人が多勢すぎたり、違った気持ばかりが集って、遠慮で漸う無事に居ると云う様なのがいやなので、あんまり人とも一緒に喋らない様に出来るだけ静かな気持を保つ様にして居るので、かなりゆとりのある自分の家の裏を、暮方本を読みながら足の向く方へ歩き廻ったり、連想の恐ろしくたくましい悧恰な小さい弟を対手に、そこいらに生えて居る菌を主人公にしたお話しをきかせたりするのは真に快い。
室内に座って、頭ばかりいじめ勝なので、十日に一度位、汗の出るほど力の入る毬投げをやるのも、私のためには決して無駄ではないのである。