Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しつらくえんさつじんじけん

二十世紀鉄仮面

小栗 虫太郎

Lesen Sie 二十世紀鉄仮面 (しつらくえんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.489 Zeichen · 77 Bildschirme

Aozora Bunko

と、法水は窓際に立って、暫く中腰になり、硝子盤と睨めっこしていたが、やがて莞爾と微笑んで腰を伸ばした。杏丸医学士は、その様子を訝かしがって、法水と同じ動作を始めたが、この方は、単に不審を増すに過ぎなかった。

「僕には、貴方が得たり顔をした、理由が判りません。疑問はいよいよ深くなる一方じゃありませんか。破れた膜嚢がないのですから、第一浮動した説明が、付かないでしょう。それに、鹿子が見た光というのが、また問題です。それが、ガラス窓越しに中庭の向うから放たれたのだとすると、見た通りガラス盤の後方は、二人の死蝋が着ている、朱丹と緑青色の布とで塞がっているのですから、あの様に真白に見える、気遣いはないのです。いよいよ以って、妖しい光は、ガラス盤の周囲で起ったことになりますよ。犯人は、明白に吾々四人以外の、霧のような人物です。それなのに、どうして貴方は?」

「その理由はほかにあるのですよ」

法水は静かにいった。

「で、こういったら、或は皮肉と考えられるかも知れませんが、鹿子の目撃談が、真実に証明されたからなんです。ねえ杏丸さん、その刻限が、恰度博士の絶命時刻に、符号しているでしょう。