Japanische Klassiker mit Furigana
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しつらくえんさつじんじけん
二十世紀鉄仮面
小栗 虫太郎
Lesen Sie 二十世紀鉄仮面 (しつらくえんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.489 Zeichen · 77 Bildschirme
堂の右端にある敷石から、そこと大石との間を往復している雪駄の跡があって、もう一つその右寄りに、二の字が大石の側迄続いているのだが、日和下駄はそこへ脱ぎ捨てられてある。(前頁の図を参照されたい)その間、検事は日和下駄の歯跡の溝を計っていたが、
「どうも、体重の割に溝が深いと思うが」
「それは暗い中を歩いたからさ。明るい所と違って、兎角体重が掛り勝ちになるからね」と法水は検事の疑念に答えてから、何んと思ったか、巻尺を足跡の辺で縦にすると、それがコロコロ左手に転がって行く。彼はそれを無言の中に眺めていたが、やがて熊城に、「君は、殺人が一体何処で行われたと思うね」と訊ねた。
「歴然たるものじゃないか」熊城は異様な所作に続く法水の奇問に、眼をパチクリさせたが、「とにかく見た通りさ。被害者は日和を脱いで大石に上ってから、やんわり地上に下りたのだ。そして、雪駄を履いた犯人が、背後から兇行を行ったのだよ。然し、屍体の形状を見ると、無論それには、破天荒な機構が潜んでいる事だと思うがね」
「機構※(感嘆符疑問符、1-8-78)」検事は熊城らしくない用語に微笑みかけたが、「ウン、確かにある」