Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しつらくえんさつじんじけん
二十世紀鉄仮面
小栗 虫太郎
Lesen Sie 二十世紀鉄仮面 (しつらくえんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.489 Zeichen · 77 Bildschirme
その瞬間血の気がサッと引いて、柳江は衝動を耐えているような苦し気な表情をした。所が、法水はどうした訳か、その様子を一瞥しただけで、彼もまた深い吐息をつき、柳江に対する訊問を打ち切ってしまったのであった。
柳江が去ると、熊城は妙な片笑いを泛べて、
「聴かなくても、君には判っているのだろう」
「サア」法水は曖昧な言葉で濁したが、「然し、似れば似たものさ。勿論偶然の相似だろうが、この顔が実に伎芸天女そっくりだとは思わんかね」
「それより法水君」検事が莨を捨てて坐り直した。「君は何故、押絵の左眼を気にしているんだ?」
それを聴くと、法水は突然熊城を促して閾際に連れて行き、板戸を少し開いて云った。
「では、実験をする事にしようかな。昨夜、此の室に秘っそり侵入したものがあって、その時眼の膜がどうして落ちたかと云う……」
そして、彼自身がまず閾の上に乗って力を加え、片手で板戸を押したが、板戸は非度い音を立てて軋った。所が、次に熊城を載せると、今度は滑らかに走る。と同時に、押絵を見ていた検事がウーンと唸った。
「どうだい。閾の下った反動で長押の押絵がガクンと傾いたろう。