Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
となり村のある家などでは、四人あった息子が四人とも戦死して、四つの名誉のしるしはその家の門にずらりとならんでいた。大吉たちは、どんなにか尊敬の目でそれをあおぎ見たことだろう。それは一種の羨望でさえあった。
その「戦死」の二字を浮かした細長く小さな門標は、やがて大吉の家へもとどけられてきた。小さな二本の釘といっしょに状袋に入れてあるのを手のひらにあけて、しばらくながめていた母は、そのまま状袋にもどして、火鉢の引出しにしまった。
「こんなもの、門にぶちつけて、なんのまじないになる。あほらしい」
怒ったような顔をしてつぶやき、しょきしょきと米を搗きはじめた。米はビール瓶の中で搗くのである。病気で寝ていたおばあさんのおかゆのためで、大吉たちの口には入らなかった。防空演習でころんで、それが病みつきになったおばあさんは、もうとうていなおる見こみもなく、寝ているだけだった。ころんだのがもとで病みついたのではなく、病みついていたからころんだのだろう、と医者はいった。八十すぎて、髪もひげもまっ白なとなり村の医者は、なおる見こみのない病人のところへは、なかなかきてくれなかった。