Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
肩をすくめて笑うと、
「わたしこそ」
と、ミサ子がもじもじしたので、そこで笑いが渦まいた。だいぶ酔ってきたマスノは、磯吉のそばによってきて、コップを手ににぎらせ、
「さあ、ソンキ、あんまになるおまえのために、も一ぱいいこう」
気がつくと、磯吉ははじめから膝もくずさず、きちょうめんにかしこまっていた。
「ソンキさん、みんな行儀わるいのよ。あんたももっとらくにすわったら」
大石先生にそういわれると、磯吉は少しななめにまげた首のうしろに手をやり、
「いやあ先生、このほうがじつは、らくなんです」
質屋の番頭が目的だった彼の十代の日の膝の苦行はもう身についてしまっているというのだ。彼はいま、三十に近くなって、こんどは腕をかためねばならないのだ。もうすでにかたまった彼の腕がどこまで、あんまとして成就できるか。しかもそれよりほかに生きる道はないのである。あんまの師匠は、そういう弟子をとりたがらないのだが、マスノの骨折りで、彼のばあいは首尾よく住みこめたという。その磯吉に、マスノはまるで弟あつかいの口をきき、
「おまえがめくらになんぞなって、もどってくるから、みんなが哀れがって、見えないおまえの目に気がねしとるんだぞ、ソンキ。