Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
この一学期間、岬の生徒は一度もちこくしないというのだ。片道五キロを歩いてかよう苦労はだれにもわかっていることで、昔から、岬の子どものちこくだけは大目に見られていたのだが、逆に一度もちこくがないとなると、これは当然ほめられねばならぬ。もちろん、一大事件としてほめられたのだ。男先生はそれを、じぶんの手柄のように思ってよろこび、
「なんしろ、今年の生徒んなかには、たちのよいのがおるからなあ」
五年生のなかにたったひとり、本校の大ぜいのなかでも群をぬいてできのよい女の子がいることで、岬からかよっている三十人の男女生徒がちこくしなかったようにいった。だがそれは、じつは女先生の自転車のためだったのだ。しかし、女先生だとて、そうとは気がつかなかった。そして、たびたび、この岬の村の子どもらの勤勉さに感心し、いたずらぐらいはしんぼうすべきことだと思った。そう思いながら、心の中ではじぶんの勤勉さをも、ひそかにほめてやった。
――わたしだって、途中でパンクしたときにちこくしただけだわ。わたしは八キロだもの――などと。そして窓の外に目をやり、じぶんをいつもはげましてくれるお母さんのことを思った。