Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
あけてみたらば 月の夜に
山がやけそろ こわくそろ
村の人も大ぜい集まってきて、あいさつをした。大石先生もいっしょに歌いながら、船にのりこんだ。
へんじかこうと 目がさめりゃ
なんのもみじの 葉がひとつ
くりかえし歌って、いつかそれもやみ、しだいに遠ざかる船にむかって呼びかける声も細りながら、いつまでもつづいた。
「せんせえ――」
「また、おいでえ」
「足がなおったら、またおいでえ」
「やくそく したぞォ」
「や く そ く し た どォ」
最後に仁太の声で、あとはもう、ことばのあやもわからなくなった。
「かわいらしいもんじゃのう」
船頭さんに話しかけられて、はじめて我れにかえりながら、しかし目だけは、まだ立ちさりかねている浜べの人たちからはなさずに、
「ほんまに、みんな、それぞれ、えい人ばっかりでのう」
「昔から、ひちむつかしい村じゃというけんどのう」
「そうよの。そんな村は、気心がわかったとなると、むちゃくちゃに人がようてのう」
「そんなもんじゃ」
つよい日ざしと海風に顔をさらしたまま、もう胡麻粒ほどにしか見えない人の姿とともに、岬の村を心の中にしみこませるように、いつまでも目をはなさなかった。