Japanische Klassiker mit Furigana
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にかかいてんらんかいざっかん
二科会展覧会雑感
寺田 寅彦
Lesen Sie 二科会展覧会雑感 (にかかいてんらんかいざっかん) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.491 Zeichen · 7 Bildschirme
こういう絵は虚心で見ると面白いところもあるが、しかし、自分は、何となく欺されるのではないかという気がして困るのである。それはとにかく、こういう絵は、もう少し清潔に仕上げた方がよくはないかと思う。絵具をのせる地質の研究が要る。
恒川氏の風景画には、ちょっと南画のような味がある。しかしこういう絵もこのままではすぐ行き詰りになりやすい。
円筒形の上の断面を楕円形に表わして、底面の方は直線でかいてしまう事が流行するようである。こういう流行は永くはつづくまい。
「天然」と絵具だけからは絵は生れないし、「自己」と絵具ばかりからも絵は生れない。自己と天然と真剣に取組み合わなければ駄目だと思う。昔は天然と絵具だけで出来た無意義な絵が多かったが、近頃は反対に自己と絵具だけの空虚な絵が多くなった。こういう絵にとっては自己がどんな自己であるかが生命である。それを充実させるためには、やはり天然の資料を豊富に摂取する事が須要である。資料の供給の無い自己はやがて空虚になる。そして空虚な自己の表現は芸術にならない。
林武氏の絵は今年はあまりふるわない。しかし、こういう風に、いい加減なところで収まってしまわないで、何かしら煩悶しているような未成の絵は、やはり頼母しいという感じを起させる。