Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしんぞう
二重心臓
夢野 久作
Lesen Sie 二重心臓 (にじゅうしんぞう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.188 Zeichen · 129 Bildschirme
て悠々と扉を閉め、立っている呉羽と向い合ってギョッとする。
「ナ……何だ……何だ今頃……何か用か……」
「ハイ。きょう……昼間にお願い致しました事の、御返事を聞かして頂きに参りましたの」
「美鳥と結婚したいという話か」
「ええ……貴方の眼から御覧になったら、飼って在る小鳥が、籠の中から飛出したがっている位の、詰まらないお話かも知れませんけども……妾……あたしこの頃、急にそうして、今までの妾の間違った生活を清算したくてたまらなくなりましたの」
「ならん……そんな馬鹿な事は……俺の気持ちも知らないで……」
「ホホ。お憤りになったのね。ホホ。それあ今日までの永い間の貴方のお志は何度も申します通り、よくわかっておりますわ。……ですけど……あたしだって血の通っている人間で御座いますからね。最初から貴方のお人形さんに生れ付いている犬猫とは違いますからね。もうもう今までのような間違った、不自然な可愛がられ方には飽き飽きしてしまいましたわ」
「……カカ……勝手にしろ。馬鹿。俺のお蔭で生きているのが解らんか」
「どうしても、いけないって仰言るの……」
「ナランと云うたらナラン……」