Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしんぞう
二重心臓
夢野 久作
Lesen Sie 二重心臓 (にじゅうしんぞう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.188 Zeichen · 129 Bildschirme
普通の声で「お前。支配人の笠さんと大森の警察署へ知らして頂戴ね。御飯はアトでいいから……」という中に淋しくニッコリ笑ったという」
「ヘエエッ。豪い女があるものですね。まだ若いのに……」
「ハハハ。感心したかい」
「感心しましたねえ。第一タッタそれだけの間に、犯罪の真相を見貫いてしまったのでしょうか。そんな事を云う位なら警察なんか当てにしなくともいいだけの自分一個の見解を……」
「アハハ。何を云ってるんだい君は……これは彼女の手なんだよ。宣伝手段なんだよ」
「宣伝手段……何のですか」
「プッ。モウすこし君は世間を知らんとイカンね。俳優生活をやっている連中は代議士と同じものなんだよ。ドンナ不自然な機会を捉まえても自分の名前を宣伝しよう宣伝しようとつとめるのが、彼等の本能なんだ。彼等は舞台や議会だけでは宣伝し足りないんだ。所謂、転んでも只は起きないというのが彼等の本能みたいになっているので、この本能の一番強い奴が名を成すことを、彼等は肝に銘じているんだよ」
「驚きましたね。そんなに非道いものでしょうか」
「論より証拠だ。天川呉羽がコンナ絶好のチャンスを見逃す筈がないんだ。