Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしんぞう
二重心臓
夢野 久作
Lesen Sie 二重心臓 (にじゅうしんぞう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.188 Zeichen · 129 Bildschirme
あれは私がトロトロした間に見た夢なのかも知れません……なんかとアイマイな事を云い出しやがるし……」
「云うかも知れませんね。そんな事をウッカリ証言したら、アトで呉羽嬢に何をされるか解りませんからね」
「君。想像は禁物だよ。チャンとした拠点のある証言を基礎として考えなくちゃ……」
「モウ、それだけですか。変った事は……」
「……アッ……それから今一つチョット変った事がある。何でもない事だが、君一流の想像を複雑にさせる材料には持って来いだろう。ほかでもない……今朝、呉羽嬢の起きるのが約一時間ばかり遅れたんだそうだ。これも市田イチ子の証言だがね」
「ヘエ。いよいよ以て聞捨てになりませんね」
「ウン。平生は女中に起されなくとも、キッチリ九時には起きて来た呉羽嬢が、今朝に限って九時半頃まで起きないので、ヨネとイチの二人の女中が顔を見合わせたそうだ。どうかしたんじゃないかというので二人がかりで起しに行ってみたらグーグー寝ている気はいがする。それを猛烈に戸をたたいたり、叫んだりしてヤット起したりしたら、不承不承に起きて来た。真白い羽二重のパジャマを引っかけながら、どうも昨夜、催眠剤を服み過ぎたらしいと云い云い湯に這入ったというんだ」