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Japanische Klassiker mit Furigana

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にじゅうしんぞう

二重心臓

夢野 久作

Lesen Sie 二重心臓 (にじゅうしんぞう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.188 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

そう云ううちに呉羽は見る見る昂奮が消え沈まったらしく、以前の通り長椅子に両脚を投出した。今度は何やら考え込んだ、一種のステバチみたような態度に変ってしまった。そうした態度の変化には何となく不自然な、わざとらしいものがあったが、しかし笠支配人は満足したらしかった。モトの通りに落付いた緊張した態度で、ジッと呉羽の横顔を凝視めた。

「それじゃ何ですね。貴女は、轟さんに結婚の希望を拒絶されて、立腹の余りに轟さんを殺されたんじゃないんですね」

呉羽はサモサモ不愉快そうに肩をユスリ上げて溜息をした。

「失礼しちゃうわねホントニ。いつまで云っても、同じ事ばっかり……執拗いたらありゃしない。ツイ今先刻貴方と二人で大森署へ行って、犯人に会って来た計りじゃないの」

「ええ。ですから云うのです。犯人が貴女を見上げた眼が尋常じゃなかったように思うのです。双方から知らん知らんと云いながら、犯人が涙をポロポロ流して、済みません済みませんと頭を下げているのを見た貴女が、自動車に乗ってからソッと涙を拭いていたじゃないですか」

「ホホ。あれはツイ同情しちゃったのよ。犯人はどこかで妾に惚れていたかも知れないわ。