Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にじゅうしんぞう

二重心臓

夢野 久作

Lesen Sie 二重心臓 (にじゅうしんぞう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.188 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで生蕃小僧は意地になってしまって、どうしてもこの等々力巡査をノックアウトしてやろうと思って色々と智恵を絞ったのでしょう。とうとう一つのスゴイ手を考え付いたのです……ちょっと生蕃小僧という名前だけ聞くと人相の悪い、恐ろしい人間に思えるようですが、それは刃物が利くのと、脚力が利くところを云ったもので、実は普通の人とチットモ変らない男ぶりのいい虫も殺さない恰好で、おまけに腰が低くて愛嬌がよかったもんですから行商人なんかになるとマルキリ本物に見えたそうです。ですから生蕃小僧はそこを利用してその頃流行っていた日本一薬館の家庭薬売に化けて大きな風琴を弾き弾き見付の町を流しまわっているうちに、等々力の若親分の身のまわりをスッカリ探り出してしまいました。

……何でも等々力若親分の若い奥さんというのは、近くの村の百姓の娘で、持って生れた縹緻美しと伝法肌から、矢鱈に身を持崩していたのを、持て余した親御さんと世話人が、情を明かして等々力の若親分に世話を頼んだものだそうですが、何ぼ等々力の親分のお声がかりでも、こればっかりは貰い手がないので、何となく顔が立たないみたいな事になって来たものだそうです。