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Japanische Klassiker mit Furigana

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にじゅうしんぞう

二重心臓

夢野 久作

Lesen Sie 二重心臓 (にじゅうしんぞう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.188 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

「……………」

兆策は額を押えて椅子に沈み込んだ。

「フ――ム。そうかなあ……」

「そうよ。彼女の話は陰影がトテモ深いんですから、用心して聞かなくちゃ駄目よ。たといソンナ事をハッキリ仰言ったにしても、それあ嘘よ……キット……」

「どうしてわかるんだい。そんな事が……お前に……」

「女の直観よ。……第三者の眼よ……」

「それだけかい……」

「それだけでも十分じゃないの。あたし……あの呉羽って女……キット深刻な変態心理の持主だと思うわ」

「直感でかい」

「いいえ。色んな事からそう思えるのよ。第一あの女は貴方がホントに好きなんじゃない。妾が好きなのよ……それも死ぬほど……」

「ナ何だって……真実かいそれあ……」

兆策は飛上らんばかりにして坐り直した。

「シッ。大きな声を出しちゃ嫌よ。外に聞こえるから……ホントなのよ。間違いないのよ。あの女は、妾と近しくなりたいために、お兄さんと心安くしていらっしゃるのよ。あの女がお兄さんを見送っている眼と唇に気をつけていると、トテモ他所他所しい冷めたさを含んでいるのよ。お兄さまを冷笑しているとしか思えない事さえあるわ。あたし何度も何度も見たわ」