Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしんぞう
二重心臓
夢野 久作
Lesen Sie 二重心臓 (にじゅうしんぞう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.188 Zeichen · 129 Bildschirme
そうして貴方と呉羽さんのアトを跟けてアルプスへ行って、お二人の話を横からスッカリ聞いてたの……鳥打帽を冠って色眼鏡をかけて、レインコートの襟を立てて煤けたラムプの下にいたから、わからなかった筈よ。あすこのマダムはやっぱり朝鮮の人で、ズット前から心安いのよ。ロッキー・レコードの支配人の第二号なんですからね。今度の話もあのマダムが世話してくれたのよ」
「驚いた……驚いた……驚いた……」
「まだビックリなさる事があってよ。あの笠っていうお爺さんね」
「可哀そうに、お爺さんは非道いよ」
「あの笠圭之介って人を貴方はホントの犯人と思っていらっしゃる?」
「さあ。わからないね。当ってみない事には……」
「そう。それじゃ当って御覧なさい。あの人ならお兄様に対して無暗な事はしない筈ですから……」
「何だいまるで千里眼みたような事を云うじゃないかお前は……事件の真相を残らず知ってるみたいじゃないかお前は……」
「ええ。知ってるかも知れないわ……でも、それは今云ったら大変な事になって、何もかもわからなくなるから、云わない方がいいと思うわ」
「ふうむ。そんなに云うなら強いて尋ねもしないが、しかしそのわかったって云うのは、犯人に関係した事かい……それとも事件全体に……」