Japanische Klassiker mit Furigana
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にせんどうか
二銭銅貨
江戸川 乱歩
Lesen Sie 二銭銅貨 (にせんどうか) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.143 Zeichen · 34 Bildschirme
そこで愈々玩具の札を受取に行くのだが、こいつが一寸難しい。というのは、この俺が受取に行ったという痕跡を、少しだって残してはならないんだ。
もしそれが分ろうものなら、あの恐ろしい悪人がどんな復讐をするか、思った丈けで気の弱い俺はゾッとするからね。兎に角、出来る丈け俺でない様に見せなければいけない。そういう訳で、あんな変装をしたんだ。俺はあの十円で、頭の先から足の先まで身なりを変えた。これ見給え、これなんか一寸いい思つきだろう」
そういって、松村はそのよく揃った前歯を出して見せた。そこには、私が先程から気づいていた所の、一本の金歯が光っていた。彼は得意そうに、指の先でそれをはずして、私の眼の前へつき出した。
「これは夜店で売っている、ブリキに鍍金した奴だ。ただ歯の上に冠せて置く丈けの代物さ。僅か二十銭のブリキのかけらが大した役に立つからね。金歯という奴はひどく人の注意を惹くものだ。だから、後日俺を探す奴があるとしたら、先ずこの金歯を眼印にするだろうじゃないか。さてこれ丈けの用意が出来ると、俺は今朝早く五軒町へ出掛けた。一つ心配だったのは、玩具の札の代金のことだった。