Japanische Klassiker mit Furigana
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「にせんどうか」をよむ
「二銭銅貨」を読む
小酒井 不木
Lesen Sie 「二銭銅貨」を読む (「にせんどうか」をよむ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.147 Zeichen · 5 Bildschirme
この点があればこそこうして自分ごときの素人が、探偵小説に嘴を入れ得る訳である。
探偵小説の面白味は言う迄もなく、謎や秘密がだんだん解けて行くことと、事件が意表外な結末を来す点にある。而もその事件の解決とか、発展とかが、必ず自然的でなくてはならない。換言すれば偶然的、超自然的又は人工的であることを許さない。其処に作者の大なる技巧を必要とする。即ちジニアスを要するのである。如何によい題材を得ても、また如何に自然科学に精通しても、単にそれだけでは駄目である。而も題材には限りがあり、又科学的新知識にも、進歩の頂点がある。実際、近頃の探偵小説を見るに大抵どれもこれも題材ががよく似ておって、これはと思う新奇な材料は少いのである。それ故今後の探偵小説家はどうしても筋の運び方、材料の取り方に新機軸を出すより外はないであろう。
こんな理窟を並べると何だか擽ったいような気持になるから、柄にないことはまあこれ位にして、さて「二銭銅貨」はどの点が優れているかというに、読者の既に読まれた如く、その巧妙な暗号により、只管に読者の心を奪って他を顧みる遑をあらしめず、最後に至ってまんまと背負投を食わす所にある。