Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごかいのまど

五階の窓

平林 初之輔

Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.840 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

それから、靴を履いているから足を触ってみることも不可能です。してみれば、証人が温かかったと証言しているのは頭部か手先か、おそらく頭部を触ってみての証言でしょう。ところで、人間があのビルディングの五階の窓からあの敷石道へ墜落したら、ひとたまりもなくその場で即死することは疑問の余地がありませんね。そこで、即死した死体の、しかも外部へ露出している頭にまだ温みが残っていたということは、その死体が即死してからせいぜい十分以内に、あの二人の証人がそこを通り合わせたということになるじゃありませんか」

「なるほど」

と、署長は椅子の上で身体を揺り動かしながら、心持ち前へにじり寄った。

「ところで、あの二人が死体を発見したのは四時三十分です。してみると、被害者が五階の窓から突き落とされたのは、四時二十分から四時三十分までの間であるということになりますね。しかるに、ちょうどその時刻に、あの商会の庶務をしている北川という男が社長室へ入っているのです。そして北川以外に、その時刻に社長室へ入った者はないのです。わたしが北川に嫌疑をかけたのは、いや嫌疑というよりも彼を確定的の犯人だと申し上げるのはそのためなんです」