Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
平林 初之輔
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.840 Zeichen · 30 Bildschirme
「なるほど」
署長は少なからぬ興味を面に現した。
主任もわれしらず椅子に腰を下ろして謹聴しはじめた。
冬木刑事は続けて語りだした。
「それからわたしは、死体の発見された場所の敷石道をよく調べてみましたが、高いところから落ちたような形跡はありませんでした。血はついていましたが、静かに流れた血の痕です。五階から落ちたとすれば、肉片や毛髪などが石の上にへばりついていなければならぬはずですが、そういうものは少しも見つかりませんでした。
それから、さっき拝見した死体解剖の検案書を見ますと、なるほど打撲傷以外に傷はありませんから、打撲によって殺されたものに相違ありませんが、打撲傷は必ずしも五階の窓から突き落とさなければできないわけではありません。それに、この場合には、五階から突き落とされたと仮定しては説明のできない点が無数にあります。だいいち、あの死体の打撲傷は後頭部と肩胛骨と二カ所しかありません。しかも、後頭部の打撲傷には後ろから力が加えられており、肩胛骨の打撲傷のほうは上から力が加えられています。もし墜落したための打撲傷なら、同じ方面から力が加えられているはずじゃありませんか?」