Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
森下 雨村
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 森下 雨村 (もりしたうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.990 Zeichen · 26 Bildschirme
桝本は訊かれるのを待ってでもいたというふうで、沖田刑事のほうを見ながら、
「昨夜、この方がお見えになったとき、よほどお話ししようかと思いましたが、まあ余計なことは申し上げないほうがよいと思って黙っていたんです。お訊ねになるまでもありません。電話では話しにくい急用ができたもので、午後四時ちょっと前でした、事務所へ社長を訪ねました」
「電話で話しにくい用事というのはどんなことか?」
「工員の問題でして、ちょっと不穏な形勢がありましたので、相談に行ったのでした」
「事務所へ行ってから、社長に会ったのか?」
署長はちょっと鎌をかけた。
「はい、会いました」
「社長室で会ったのか?」
「いいえ、社長室では都合が悪かったので外へ呼び出して、四階の空いた部屋で用談を済ませました」
答弁はすらすらとしてなんの淀みもない。署長も沖田刑事もいささか案外な気持ちになってきた。
「どういう用談で会ったか。どんな都合があって社長を連れ出したか、その辺のことを詳しく話してみたまえ。そこがはっきりしないと、きみの立場が非常に不利になるんだ」
「それはわたしにもよく分かっております。で、昨夜もよほどこの方に申し上げようかと思いながら、事情が少々込み入っていますので、控えておりましたが、お訊ねとあれば仕方がありません。