Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんたいかいぼうをみるのき

人体解剖を看るの記

海野 十三

Lesen Sie 人体解剖を看るの記 (じんたいかいぼうをみるのき) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.432 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

日がとっぷり暮れて、電灯がついた。

大勢の警官が、続々と入ってきた。

解剖は、階段教室で行われた。病院の職員、看護手、看護婦などが、警官の邪魔にならぬように、すこし後方に席をとった。

検査官一行も到着して、解剖台のすぐ前の席に腰を下ろした。その後から大きな鞄を持った助手を従えて、今夜の執刀者である警察医が入ってきた。

それにつづいて運搬車のうえに載せられて、屍体が入って来た。白布をとれば、その下に裸体の若い男性屍体が現れた。年のころ十五六でもあろうか。五厘刈にした丸顔の可愛いい少年だった。

屍体といえば、僕たちは臘細工のような青い身体を想像するのであるが、この屍体はそうではなかった。顔も唇も赤々として、まるで眠っているとしか考えられない。聞いてみると、この屍体は井戸の中に漬っていたのだそうで、時間も三十時間ぐらいしか経ってないということだった。

僕はこの解剖の終了するまでのうち、一番気もちわるく感じたのは、この解剖前の屍体を見ているときだった。それはどういうわけだか分らない。とにかく遠くの方から、脳貧血という魔物が、しのび足に寄って来て、すぐ背後のところでニヤニヤと笑っているような感じだった。