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Japanische Klassiker mit Furigana

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じんせいせいかいいん

人生正会員

佐々木 邦

Lesen Sie 人生正会員 (じんせいせいかいいん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.238 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

「構わないでしょう、職務上のことですから」

「いや、危い」

「僕も御免蒙りますよ」

「何故?」

「叱られます。大将、初めと違って、この頃は気が荒くなっていますから」

「それじゃ僕は社長秘書に伝えて置いたということで責任解除にして貰う」

「宜いですとも。社長の方から訊く筈はありません。万一訊いたら、あゝ、そうだったと思い出したように言いましょう」

僕はその日社長の出勤が待遠しかった。昼からやって来たが、果して数珠は持っていなかった。のみならず、机の引出や書類箱の中を頻りに探すのだった。

「社長、何か見えませんか?」

「いや、何にも」

と社長は否定して、書類に向った。尚お気をつけていたら、盲判の南無阿弥陀仏も唱えたり唱えなかったりだった。

それから数珠のない日が続いて、念仏が自然に消え去った。もう鷲のような目を見開いて、盲判を捺す。

「青山さん、心境の変化が聊か認められるようです」

と僕は約束に従って、青山専務に報告した。

「聊かとは君も鈍いな。実はもう始まっているんだよ」

「何ですか?」

「縁談さ」

「はゝあ」

「驚いたよ。大悟一番どころじゃない。僕の家内の同窓で五十二の未亡人を持って行ったんだ。