Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんぞうにんげんエフし

人造人間エフ氏

海野 十三

Lesen Sie 人造人間エフ氏 (じんぞうにんげんエフし) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 53.879 Zeichen · 109 Bildschirme

Aozora Bunko

天候もわるくなってきたようだ。そのうちに、飛行機のすがたも、煙霧のなかにとけてしまって、やがて見えなくなった。ただエンジンだけが、つづいてはげしい唸りごえをたてていたが、それもいつしかとおくになってしまった。ウラル丸の船員といわず船客といわずみんないいあわしたようにほっとため息をついて、なに一つこわれたところのない船体をふしぎそうにながめまわすのであった。

敦賀港

そののちは、べつにかわったこともなく、ウラル丸はついにめでたく敦賀の港に錨をおろした。ウラル丸の検疫がすんだ。もうこのうえは上陸してもよいということになった。そこで桟橋に、横づけとなりそして出口がひらかれた。

まっさきに出口へ突進したのはひげだらけの老紳士大木であった。

「さあ、おまえたちも、わしについて、早く上陸するのじゃ。こんな縁起のわるい船は、すこしでも早くおりたがいいぞ。さあ、わしについてくるのじゃ」

大木老人は、正太とマリ子の手をとって、他の船客をらんぼうにおしのけながら、出口をとおりすぎようとする。大木老人はそれでもいいが、彼に手をとられた二人の兄妹こそ大めいわくだ。マリ子などは、さっきからいくたびか足を踏まれたり、そして顔を大人の洋服ですりむいたり、全くひどい目にあっている。