Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんぞうにんげんエフし

人造人間エフ氏

海野 十三

Lesen Sie 人造人間エフ氏 (じんぞうにんげんエフし) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 53.879 Zeichen · 109 Bildschirme

Aozora Bunko

やっと道に出たときには、大辻の手も足も、野ばらのとげでひきさき、血だらけになっていた。見ると、目の前に、少女の手をとった少年がいた。

「こいつだな。おい待て、人造人間の化けた怪少年め!」

とおどりかかろうとすれば、相手は、

「はやまっちゃいけない、大辻さん。僕だよ、正太だよ」

「えっ、正太君か」

「そうだ、いま僕が人造人間をたおして、妹をとりかえしたんだ」

「そうか。そいつはでかした。わしはまた、人造人間め、うまく化けたなと思ったよ。ははは、もすこしで君をなぐり殺すところだった」

と、大辻が笑いだしたとたんに、少年は、拳で大辻の横腹をどんとついた。

「あっ、うむ。き、貴様は……」大辻は、無念そうに歯をばりばりかみあわせたが、少年の拳につかれた横腹のいたみにたえられなくなって、ばったりその場にたおれ、そのまま気を失ってしまった。けけけけ――というようなこえで、正太とばかり思っていた少年は、笑った。マリ子は笑いもせず泣きもせず、人形のようにつったっている。

これでみると、大辻が正太だと思ったこの少年は正太ではなく、やはり例の人造人間が化けた怪少年だったのだ。正太はどこへいったのだろうか。