Japanische Klassiker mit Furigana
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ロボットさつがいじけん
人造人間殺害事件
海野 十三
Lesen Sie 人造人間殺害事件 (ロボットさつがいじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.836 Zeichen · 18 Bildschirme
貴方と同じ国に生まれたこの妾の気持がどうして貴方に汲んでもらえないのでしょうかしら。こんな遠い異国に来て、毎日泪で暮している妾を、可哀想だと思っては下さらないのですか。妾は恥を忍んでまで、祖国のためになることをしようと思っているのですのに」
「そいつは言わないのがいいでしょう。情痴の世界に、祖国も、名誉もありますまい」
「貴方は、今晩はどうしてそう不機嫌なのです。さあ機嫌を直して、今夜こそは、妾のうちへ来て下さい。主人は今朝、北の方へ立ちました。一週間はかえってきますまい。さあこれから行きましょう。ネ、いいでしょう井東さん。絹子の命をかけてお願いしてよ」
このしつっこい色情夫人には、もう三十日あまりも纏いつかれていた。僕のような肺病やみのどこがよくて誘われるのであろうかと不審にたえない。しかし神経的に考えてみれば思い当らぬところがないでもないので、それは多分色道の飽食者である夫人が僕の変質に興味を持っているのであるか、それとも、ひょっとすると、同志林田の指摘したように僕の身辺を覘う一派の傀儡で、古い手だが、色仕掛けというやつかも知れない。もしそうだとすると、この劉夫人は容易に僕から離れては呉れないだろう。