Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんのけっこん
人間の結婚
宮本 百合子
Lesen Sie 人間の結婚 (にんげんのけっこん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.379 Zeichen · 29 Bildschirme
神や魔力は水の中にさえもあった。あんなに静かに流れ、手ですくっておいしく飲めるその水が、天からどうどうと降りそそげば、彼等の穴ぐらは時々くずれたり狩に行けないために飢えなければならない時さえあった。未開な暗さのあらゆる隅々に溢れる自然の創造力の豊かさを驚き崇拝した原始の人類にとって、自分たちに性の別があってその結合の欲望は押え難く彼等を狂気にし、その狂気への時期が過ぎてある時がたつと、女の体は木の実のように丸くなってそこから人間そっくりの形をした小さな人間が現れて来るという神秘について、彼等は絶対の驚きをもっていた。太陽や月のように、人間を支配する性の力を崇拝した。原始社会に広く行われた信仰の一つである性器の崇拝は、人間創造の自然力に驚嘆した我々の祖先の率直な感情表現であった。
こういう時代には人類の男女は生物的に自然に従えられていただけであった。だから山の獣が自然の魅力で異性を見出し、それに引きつけられて行く限りでは、そこには人間の雌である女があり、人間の雄である男が存在するばかりであった。家族関係というふうのものも近代の意味では確立していなかったから、互いにとって親族的な縦横の関係は無視されていた。