Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にんげんレコード

人間レコード

夢野 久作

Lesen Sie 人間レコード (にんげんレコード) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.936 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

ただ一つ……」

「何だ……」

「ただ一つ……」

「何がタダ一つだ……」

「あの老人を哈爾賓から見送って来た朝鮮人が、下関駅でタッタ今電報を打ちました。銀座尾張町のレコード屋の古川という男に打ったものですが……」

「ウムウム。あの男なら監視させておるから大丈夫じゃが……その電文の内容は……」

「レコード着いた。富士に乗る……というので……」

「しめたぞッ……それでええのじゃ」

支那人風の巨漢がイキナリ膝を打って大きな声を出した。

「エッ」

人相の悪い紳士は眼をパチクリさせた。

支那人風の巨漢は顔中に張切れんばかりの笑を浮かめて立上った。

「ハハハ。イヨイヨ人間レコードを使いおったわい」

「エッ……人間レコード……」

「ウム。露西亜で発明された人間レコードじゃ。本人は何一つ記憶せんのに脳髄にだけ電気吹込みで、複雑な文句を記憶させるという医学上の新発見を応用した人間レコードというものじゃ。ずっと以前からネバ河口の信号所の地下室で作り出して欧羅巴方面の密使に使用しておったものじゃが、この頃日本の機密探知手段が極度に巧妙になって来たのでヤリ切れなくなって使い始めたものに違いない。