Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんしっかく
人間失格
Lesen Sie 人間失格 (にんげんしっかく) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.014 Zeichen · 141 Bildschirme
ヨシちゃんと言い、色の白い、八重歯のある子でした。自分が、煙草を買いに行くたびに、笑って忠告するのでした。
「なぜ、いけないんだ。どうして悪いんだ。あるだけの酒をのんで、人の子よ、憎悪を消せ消せ消せ、ってね、むかしペルシャのね、まあよそう、悲しみ疲れたるハートに希望を持ち来すは、ただ微醺をもたらす玉杯なれ、ってね。わかるかい」
「わからない」
「この野郎。キスしてやるぞ」
「してよ」
ちっとも悪びれず下唇を突き出すのです。
「馬鹿野郎。貞操観念、……」
しかし、ヨシちゃんの表情には、あきらかに誰にも汚されていない処女のにおいがしていました。
としが明けて厳寒の夜、自分は酔って煙草を買いに出て、その煙草屋の前のマンホールに落ちて、ヨシちゃん、たすけてくれえ、と叫び、ヨシちゃんに引き上げられ、右腕の傷の手当を、ヨシちゃんにしてもらい、その時ヨシちゃんは、しみじみ、
「飲みすぎますわよ」
と笑わずに言いました。
自分は死ぬのは平気なんだけど、怪我をして出血してそうして不具者などになるのは、まっぴらごめんのほうですので、ヨシちゃんに腕の傷の手当をしてもらいながら、酒も、もういい加減によそうかしら、と思ったのです。