Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

にんげんしっかく

人間失格

太宰 治

Lesen Sie 人間失格 (にんげんしっかく) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.014 Zeichen · 141 Bildschirme

Aozora Bunko

部屋には、堀木の座蒲団の他には、客座蒲団がたった一枚しか無かったのです。

女のひとは痩せて、脊の高いひとでした。その座蒲団は傍にのけて、入口ちかくの片隅に坐りました。

自分は、ぼんやり二人の会話を聞いていました。女は雑誌社のひとのようで、堀木にカットだか、何だかをかねて頼んでいたらしく、それを受取りに来たみたいな具合いでした。

「いそぎますので」

「出来ています。もうとっくに出来ています。これです、どうぞ」

電報が来ました。

堀木が、それを読み、上機嫌のその顔がみるみる険悪になり、

「ちぇっ! お前、こりゃ、どうしたんだい」

ヒラメからの電報でした。

「とにかく、すぐに帰ってくれ。おれが、お前を送りとどけるといいんだろうが、おれにはいま、そんなひまは、無えや。家出していながら、その、のんきそうな面ったら」

「お宅は、どちらなのですか?」

「大久保です」

ふいと答えてしまいました。

「そんなら、社の近くですから」

女は、甲州の生れで二十八歳でした。五つになる女児と、高円寺のアパートに住んでいました。夫と死別して、三年になると言っていました。

「あなたは、ずいぶん苦労して育って来たみたいなひとね。