Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんソーセージ
人間腸詰
夢野 久作
Lesen Sie 人間腸詰 (にんげんソーセージ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.648 Zeichen · 43 Bildschirme
どの巡査も直ぐにクルリと向うを向いて行っちまったんです。
それが右へ曲っても左に曲っても、どこまで行ってもどこまで行ってもそうなんですから、あっしはだんだん不思議になって来ましたが、アトから聞いてみると無理もない話です。その馭者というのが旦那様……聖路易切ってのギャングの大親分で、カント・デックてえ凄い奴だったそうです。聖路易の町中の巡査はミンナこのデックの乾分みてえなものだったってえんですから豪勢なもんで……しかも一緒に乗っている支那娘のチイ嬢と、もう一人のフイ嬢とは揃いも揃ってこのカント・デックの妾だって事がそんな時のあっしにわかったら、そのまんま目を眩しちゃったかも知れませんね。地球が丸いどころの騒ぎじゃ御座んせんからね。
それでなくとも何だか少々、薄ッ気味が悪くなりかけているところへ馬車が止って、一軒の立派な明るい店の前に着きました。チイ嬢はそこであっしのキタネエ首根ッ子に今一つキッスをしますと、あっしの手を引きながらその店の中に這入って行きましたが、それは大きなレコード屋だったんですね。スバラシイ花輪や流行児の歌い手らしい男や女の写真が、四方の壁一パイに並んでいる店の広間へ、縦横十文字に並んだ長椅子に凭りかかった毛唐と女唐とが、フロック張りの番頭や手代の鳴らすレコードを知らん顔をして聞いていた