Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

にんげんソーセージ

人間腸詰

夢野 久作

Lesen Sie 人間腸詰 (にんげんソーセージ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.648 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

その柔和な笑顔を見ると、たしかにどこかで会ったことの在る顔だとは思いましたが、どうしても思い出せません。真逆にツイ今サッキ乗って来た馬車の馭者が黒い頬髯を取ったものだとは気付きませんでしたので、多分台湾館に居る時にチップを余計に呉れたお客の一人じゃないかと思いながらホッとタメ息しておりますと、その紳士は右手を差出して、あっしと心安そうに握手しながら一層、眼を細くして申しました。しかも、それが片言まじりの日本語なんです。

「……アナタ……この家がドンナ家ですか、よく御存知でしょう。それですからメンド臭いお話やめましょうね。用事だけお話しましょうねえ。コチラへお出で下さい」

と私を手招きしながら部屋の隅の巨大な銀色の花瓶の処へ来ました。それは人間ぐらいの大きさの花瓶に蝦夷菊の花を山盛りに挿したもので、四五人がかりでもドウかと思われるのをその紳士は何の雑作もなく一人で抱え除けますと、その花瓶の向うの寄木細工の板壁の隅に小さな虫喰いみたいな穴が二つ三つ出来ております。その穴の一つに紳士が、時計の鎖に附いている鍵を突込みますとパタリと音がして二尺に二尺五寸ぐらいの壁板が開いて、奥の浅い十段ばかりに仕切った棚があらわれました。