Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にんげんソーセージ

人間腸詰

夢野 久作

Lesen Sie 人間腸詰 (にんげんソーセージ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.648 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

かみんかみん」

てお呼び声がどこからか聞えるように思ってフイッと眼を開いてみるてえと、コンクリート作りの馬小舎みてえに狭い藁束だらけの床の上へ投げ出されているのに気が付きました。

片隅の扉の前に置いて在る汚いバケツの中を這い寄って覗いてみますと、ジャガ芋と肉のゴッタ煮の上にパンの塊まりと水と、牛乳の瓶が投込んで在ります。……つまり何ですね。まだあっしを殺す気じゃなかったのでしょう。あわよくば仲間に引っぱり込んで仕事をさせる気でいたのでしょう。

しかしあっしは助かったのが嬉しくも悲しくも何ともありませんでした。今から考えてみるとあの時はヨッポド頭が変テコになっていたんですね。やっぱり地球癲癇の続きだったかも知れませんでしたがね。自分がどこに居るやら、どうなっているやらわからないまま、眼が醒めない前から続けていたらしい譫言を、そのまんま云いつづけておりました。

「じゃぱん、がばめん、ふおるもさ、ううろんち、わんかぷ、てんせんす。かみんかみん」

と繰り返し繰り返し大きな声で云ってたようですが、口癖ってものは恐ろしいものですね。

ところがこの御祈祷の文句のお蔭で、無事にこうやって日本に帰ることが出来たんですから、人間の運てえものはドコまでも不思議なもので……ヘエ……。