Japanische Klassiker mit Furigana
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がんりゅうじま
仇討二十一話
直木 三十五
Lesen Sie 仇討二十一話 (がんりゅうじま) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.854 Zeichen · 35 Bildschirme
地よりや湧きたりけん。大根の打懸纏(うちかけまと)いを押立てて一手の軍の寄せ来たるは、これぞ越後名代の勇将甘粕備前守と知られたり」
木戸番うつむいて煙草ばかり喫っている。
「へイ、有難う」
木札二枚、とんと置く奴を引つかんで、
「札を頂きます」
無言で渡して、そっと暖簾の外から盗見する。
「どうか御入りなすって」
と、云ったが聞えない。聞えたが、聞えたきりで耳を抜けてしまった。
「もし申し兼ねますが、一寸どうか。へイ、其処は入口で御座いますので」
「ああ、いや御免」
ぷいと出てしまう。
四
喜遊次が高座を降りて、楽屋――と云っても書割のうしろで坐る所も無い。碌に削りもしない白木を打交(うちちが)えた腰掛が二つばかり、腰を下して渋茶をすすっていると、
「喜遊次とは御前か」
と背後(うしろ)からぴったり左手へ寄りそって立った男。田舎の同心だけは知っている。右手へ立つと抜討というやつを食うが、左手へ立つとそいつが利かない。
「ヘイ、手前」
「一寸外まで」
と、云ったが蓆(むしろ)一枚撥(はね)ると外だ。四五人が御用提灯を一つ灯して立っているからはっとしたがままよと引かれる。