Japanische Klassiker mit Furigana
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かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
Lesen Sie 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.178 Zeichen · 159 Bildschirme
主税様は、なにかの拍子に女猿廻しから、独楽に封じた隠語の紙を、お手に入れられたかもしれませぬが、わたくしの筆癖と隠語の文字とが、似ているなどと申しますものか! もし又それにお気附きになったら、わたしの為に計られて、かえってそれを秘密にして、葬ってしまったでございましょう! わたしに対する主税様の、熱い烈しい愛情からすれば……」
「黙れ!」と忍び音ではあったけれど、怒りと憎悪との鋭い声で、突然頼母は一喝したが、ヌッとばかりに立ち上った。
「何かと言えば主税様! そうか、それほど山岸主税が、其方には大切で恋しいか! ……よーしそれではその主税めを! ……が、まアよい、まアその中に、その主税様を忘れてしまって、頼母様、頼母様と可憐らしく、わしを呼ぶようになるであろう。またそのように呼ばせてもみせる。……とはいえ今の其方の様子ではのう。……第一正気でいられては……、眠れ!」と云うと壁の一所を、不意に頼母は指で押した。
と、その瞬間「あッ」という悲鳴が、お八重の口から迸り、忽然としてそのお八重の姿が、座敷牢から消えてなくなり、その代わりにお八重の坐って居た箇所へ、畳一畳ばかりの長方形の穴が、黒くわんぐりと口を開けた。