Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

Lesen Sie 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.178 Zeichen · 159 Bildschirme

Aozora Bunko

「お葉や、わたしも、そうだった。今のわたしの身分といったら、曲独楽使いの太夫なのだよ! ……荏原屋敷の娘、双生児のお嬢様と、自分から云ってはなんだけれど、可愛らしいのと幸福なのとで、人に羨まれたわたしたち二人が、揃いも揃って街の芸人に!」

泉水で鯉が跳ねたのであろう、鞭で打ったような水音がした。

高く抽て白蓮の花が、――夜だから花弁をふくよかに閉じて、宝珠かのように咲いていたが、そこから甘い惑わすような匂いが、双生児の姉妹の悲しい思いを、慰めるように香って来ていた。

「お葉や」とやがてあやめは云った。

「わたし決心をしたのだよ。一生の大事を遂げようとねえ」

「お姉様」とお葉も云った。

「わたしも、わたしも、そうなのです! 一生の大事を遂げようと、決心したのでございます!」

「わたし、主馬之進を殺す意なのだよ! お父様を殺し、お母様を誑し、荏原屋敷を乗っ取って、わたしたち二人を家出させた、極悪人の主馬之進をねえ」

「お姉様」とお葉は云って、ヒタとあやめの顔を見詰め、

「わたしは、主馬之進をそそのかして、そういう悪事を行なわせた、主馬之進の兄にあたる、田安家の奥家老、松浦頼母を殺そうと、心掛けておるのでございます!」