Japanische Klassiker mit Furigana
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こんどこそ
今度こそ
片岡 鉄兵
Lesen Sie 今度こそ (こんどこそ) von 片岡 鉄兵 (かたおかてっぺい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.432 Zeichen · 5 Bildschirme
甲吉は黙ってしまった。
俺は帰ろうとすると、彼奴は俺を呼び止めた。
「ちょっと話したい事がある」そしておっかアの方に「お前えちょっと彼方へ行っといで」と云った。
二人だけになった時、甲吉は云った。
「お前え、共産党か?」
「ううん、ちがう」
「嘘つけ」と彼は眼を尖らせた。
「何でそんな事云うんだ?」
「そんな気がする」
しばらくして、甲吉はつぶやいた。
「いや、もう遅い。片腕じゃ……くそっ」
翌日の職場大会に、交渉決裂の報告を齎らした委員を迎えて、聴衆は湧き立った。今度こそは! 俺ら全協の仲間も躍り上った。俺らは一生懸命に働かなくちゃならぬ。ダラ幹の入る隙をなくして、全協の指導を貫徹させなければならぬ。そして、全協こそ、大衆の利益のためには常に先頭に立つものであることを、身を以って知らさなくちゃならぬ。俺は用意したビラを、上衣の下で握りしめた。
甲吉は片腕をなくした。俺は――今ここで生命を投げ棄てよう。全協の旗のもとへ!
――一九三一・七――