Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こんにちのぶんがくのてんぼう
今日の文学の展望
宮本 百合子
Lesen Sie 今日の文学の展望 (こんにちのぶんがくのてんぼう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.109 Zeichen · 83 Bildschirme
「豺狼」等と銘し、室生犀星氏が悪党の世界へ想念と趣向の遠足を試みている小説等とともに、痛い歯の根を押して見るような痛痒さの病的な味を、読者に迎えられたのであった。
石坂洋次郎氏の「麦死なず」という小説が、左翼運動への無理解や自己解剖を巧に作中人物の一人(妻)への誇張された描写にすりかえている等の欠点をもつ作品であるにかかわらず、一応興味をもたれたのも、当時のこのような空気とこの作者の示した不健全性こそが結びつき得たからによったのである。
これ等の人間的感性と文学の頽廃に安ぜず、同時に、還り得べからざる王朝文学の几帳のかげをも求めない作家たち、深田久彌、山本有三、芹沢光治良等の諸氏は、それぞれ、モラルと真実との再誕を求めて作品にとりくんだが、これらの真面目な人間的・文学的努力も、成果においては作者の健全ならんと欲する意欲だけが感じられ、文学的現実は結論のない、中心がガランとしたものとして現れた。例えば、山本有三氏の労作「真実一路」と数年前に書かれた「女の一生」などとを比べると、この作者の進歩性が陥っている今日のスランプの客観的・主観的な性質が手にとるように感じられる。