Japanische Klassiker mit Furigana
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なかなかしなぬあいつ
仲々死なぬ彼奴
海野 十三
Lesen Sie 仲々死なぬ彼奴 (なかなかしなぬあいつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.216 Zeichen · 18 Bildschirme
棺の正面に今日の導師たる××国師はじめ一門がずらりと並び、一と通りの読経も漸く終りに近づき、南無阿弥陀仏の連唱が行われていた――その時であった。
(プスッ)というような鈍い物音が大臣席のうしろの方にした、と思ったら、その次の瞬間に、「ド、ド、どーんッ!」と物凄じい大爆音が起った。
あとは何にも判らなかった。
五分、十分……やや静まった。門外に居た参列者だけは、重症を負いながらも、一命はとりとめたようである。その連中が門内を覗きこんで、一種異様な臭気を持った煙の霽れゆく間から本堂のあたりと覚しき跡に眼を移したものは、思わず、
「吁ッ」と叫んで、顔をそむけた。
門内に居た五百人の親戚や名士達は一人として生きては居ないらしい。その惨状を、ここに記すのは、筆者としても到底忍び得ないところである。
それから三十分経った。
恐るおそる本堂の跡へ入りこんだ警官隊の一行は、本堂の正面にある石の壇上と覚しいところから、おゥ、おゥと叫ぶ人声のあるのに気付いて、胆をつぶした。よくみると、それは無惨にも片足を失った重傷者が、救いを求めているのであった。それを皆が寄って、ようやく下へ降ろして見て再び大吃驚をしなければならなかった。