Japanische Klassiker mit Furigana
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でんきちのかたきうち
伝吉の敵打ち
Lesen Sie 伝吉の敵打ち (でんきちのかたきうち) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.714 Zeichen · 10 Bildschirme
この仇打の工夫についても、諸説のいずれが正しいかはしばらく疑問に附するほかはない。
(一)「旅硯」、「農家義人伝」等によれば、伝吉は仇の誰であるかを知っていたことになっている。しかし「伝吉物語」によれば、服部平四郎の名を知るまでに「三星霜を閲し」たらしい。なおまた皆川蜩庵の書いた「木の葉」の中の「伝吉がこと」も「数年を経たり」と断っている。
(二)「農家義人伝」、「本朝姑妄聴」(著者不明)等によれば、伝吉の剣法を学んだ師匠は平井左門と云う浪人である。左門は長窪の子供たちに読書や習字を教えながら、請うものには北辰夢想流の剣法も教えていたらしい。けれども「伝吉物語」「旅硯」「木の葉」等によれば、伝吉は剣法を自得したのである。「あるいは立ち木を讐と呼び、あるいは岩を平四郎と名づけ」、一心に練磨を積んだのである。
すると天保十年頃意外にも服部平四郎は突然往くえを晦ましてしまった。もっともこれは伝吉につけ狙われていることを知ったからではない。ただあらゆる浮浪人のようにどこかへ姿を隠してしまったのである。伝吉は勿論落胆した。一時は「神ほとけも讐の上を守らせ給うか」