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Japanische Klassiker mit Furigana

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さっかのぞう

作家の像

太宰 治

Lesen Sie 作家の像 (さっかのぞう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.508 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

とぼけ切っていたい。それが私のような単純な男には、至難の業なのである。私は、きのうも思い悩んだ。こう、何気ない随筆の材料が無いものか。死んだ友人のことを書こうか。旅行の事を書こうか。日記を書こうか。私は日記というものを、いままでつけた事がない。つけることが出来ないのである。

一日中に起った事柄の、どれを省略すべきか、どれを記載すべきか、その取捨の限度が、わからないのである。勢い、なんでもかでも、全部を書くことになって、一日かいて、もうへとへとになるのである。正確に書きたいと思うから、なるべくは眠りに落ちる直前までの事を残さず書いてみたいし、実に、めんどうな事になるのである。それに、日記というものは、あらかじめ人に見られる日のことを考慮に入れて書くべきものか、神と自分と二人きりの世界で書くべきものか、そこの心掛けも、むずかしいのである。結局、日記帳は買い求めても、漫画をかいたり、友人の住所などを書き入れるくらいのもので、日々の出来事を記すことはできない。けれども、家の者は、何やら小さい手帖に日記をつけている様子であるから、これを借りて、それに私の註釈をつけようと決心したのである。