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Japanische Klassiker mit Furigana

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いど

作家の自伝102 伊藤左千夫

伊藤 左千夫

Lesen Sie 作家の自伝102 伊藤左千夫 (いど) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.100 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

学問を止めたかとて百姓にならねばならぬと云うことはない、学問がなくとも出来ることが幾らもある、近眼の為に兵役免除となったを幸に、予は再び上京した。勿論老父母の得心でない、暫く父母に背くの余儀なきを信じて出走したのである。併し再度出京の目的は自己の私心を満足させんとの希望ではない、衣食を求むるため生活の道を得んがため、老親の短き生先を自分の手にて奉養せんとの希望のためであった。予が半生の家庭が常に変則の軌道を歩したと云うも、一は眼病で廃学した故と生先短き親を持った故とである、殊に予の母は後妻として父の家に嫁がれ予の外に兄一人あるのみで、然かも最もおそき子であるから吾等兄弟が物覚のついた時分には老母の髪は半分白かった。如此事情のもとに生長した予は子供の時より母の生先を安ずるというのが一身の目的の如くに思って居ったのである。眼病を得て処世上正則の進行を妨げらるるに及びては、愈私心的自己の希望を絶対に捨てねばならぬ事になった。

老母の寿命がよし八十迄あるとするも、此の先二十年しかない。況や予が生活を得るまでには猶少くも三四年は間があって、母の命八十を必し難しとすれば、予は自分の功名心や、遠い先の幸福などに望を掛けて、大きな考を起す暇がないのである、年少気鋭の時代は何人にもある、予と雖も又其の内の一人であれば、