Japanische Klassiker mit Furigana
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かじつ
佳日
Lesen Sie 佳日 (かじつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.912 Zeichen · 30 Bildschirme
大隅君だって、小坂さんの御家庭を尊敬しているさ。君以上かも知れない。だから、なおさら、てれているんだよ。大隅君は、もう、いいとしだし、頭髪もそろそろ薄くなっているし、てれくさくって、どうしていいかわからない気持なんだろう。そこを察してやらなければいけない。」まことに、弟子を知ること師に如かずであると思った。「表現がまずいんだよ。どうしていいかわからなくなって、天下国家を論じて君を叱ってみたり、また十一時まで朝寝坊してみたり、さまざま工夫しているのだろうが、どうも、あれは昔から、感覚がいいくせに、表現のまずい男だった。いたわってやれよ。君ひとりをたのみにしているんだ。君は、やいているんだろう。」
ぎゃふんと参った。
私は帰途、新宿の酒の店、二、三軒に立寄り、夜おそく帰宅した。大隅君は、もう寝ていた。
「小坂さんとこへ行って来たか。」
「行って来た。」
「いい家庭だろう?」
「いい家庭だ。」
「ありがたく思え。」
「思う。」
「あんまり威張るな。あすは瀬川先生のとこへ御挨拶に行け。仰げば尊しわが師の恩、という歌を忘れるな。」
四月二十九日に、目黒の支那料理屋で大隅君の結婚式が行われた。