Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しゅんかん
俊寛
Lesen Sie 俊寛 (しゅんかん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.263 Zeichen · 33 Bildschirme
所がその願は少しも通らぬ。すると岩殿と云う神は、天魔にも増した横道者じゃ。天魔には世尊御出世の時から、諸悪を行うと云う戒行がある。もし岩殿の神の代りに、天魔があの祠にいるとすれば、少将は都へ帰る途中、船から落ちるか、熱病になるか、とにかくに死んだのに相違ない。これが少将もあの女も、同時に破滅させる唯一の途じゃ。が、岩殿は人間のように、諸善ばかりも行わねば、諸悪ばかりも行わぬらしい。もっともこれは岩殿には限らぬ。奥州名取郡笠島の道祖は、都の加茂河原の西、一条の北の辺に住ませられる、出雲路の道祖の御娘じゃ。が、この神は父の神が、まだ聟の神も探されぬ内に、若い都の商人と妹背の契を結んだ上、さっさと奥へ落ちて来られた。こうなっては凡夫も同じではないか? あの実方の中将は、この神の前を通られる時、下馬も拝もされなかったばかりに、とうとう蹴殺されておしまいなすった。こう云う人間に近い神は、五塵を離れていぬのじゃから、何を仕出かすか油断はならぬ。このためしでもわかる通り、一体神と云うものは、人間離れをせぬ限り、崇めろと云えた義理ではない。――が、そんな事は話の枝葉じゃ。