Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんかん
俊寛
Lesen Sie 俊寛 (しゅんかん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.263 Zeichen · 33 Bildschirme
「それは御立腹なすったでしょう。」
「康頼は怒るのに妙を得ている。舞も洛中に並びないが、腹を立てるのは一段と巧者じゃ。あの男は謀叛なぞに加わったのも、嗔恚に牽かれたのに相違ない。その嗔恚の源はと云えば、やはり増長慢のなせる業じゃ。平家は高平太以下皆悪人、こちらは大納言以下皆善人、――康頼はこう思うている。そのうぬ惚れがためにならぬ。またさっきも云うた通り、我々凡夫は誰も彼も、皆高平太と同様なのじゃ。が、康頼の腹を立てるのが好いか、少将のため息をするのが好いか、どちらが好いかはおれにもわからぬ。」
「成経様御一人だけは、御妻子もあったそうですから、御紛れになる事もありましたろうに。」
「ところが始終蒼い顔をしては、つまらぬ愚痴ばかりこぼしていた。たとえば谷間の椿を見ると、この島には桜も咲かないと云う。火山の頂の煙を見ると、この島には青い山もないと云う。何でもそこにある物は云わずに、ない物だけ並べ立てているのじゃ。一度なぞはおれと一しょに、磯山へ吾を摘みに行ったら、ああ、わたしはどうすれば好いのか、ここには加茂川の流れもないと云うた。おれがあの時吹き出さなかったのは、我立つ杣の地主権現、日吉の御冥護に違いない。