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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんかん

俊寛

菊池 寛

Lesen Sie 俊寛 (しゅんかん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.455 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

俊寛は、最後の叫び声をあげようとしたけれども、声はすこしも咽喉から出なかった。船の上には、右往左往する水夫どもの姿が見えるだけで、成経、康頼はもとより、基康も姿を現さない。

見る間に船は、滑るように動き出した。もう、乗船の望みは、すこしも残ってはいなかったが、それでも俊寛は船を追わずにはいられなかった。船は、島に添いながら、北へ北へと走る。俊寛は、それを狂人のように、こけつまろびつ追った。が、三十町も走ると、そこは島の北端である。そこからは、翼ある身にあらざれば追いかけることができない。折から、風は吹きつのった。船の帆は、張り裂けるように、風を孕んだ。船は見る見るうちに小さくなっていく。俊寛は、岸壁の上に立ちながら、身を悶えた。もう声は、すこしも出ない。ただ、獣のように岸壁の上で狂い回るだけだった。

船は、俊寛の苦悶などには、なんの容赦もなく、半刻も経たないうちに、水平線に漂う白雲のうちに、紛れ込んでしまった。船の姿を見失ったとき、俊寛は絶望のために、昏倒した。昨夜来叫びつづけた疲労が一時に発したのだろう、そのまま茫として眠り続けた。

彼は、その岸壁の上で、昏倒したまま、何時間眠っていたかは、自分にも分からなかった。